研修漬けにしても成果ゼロ? 中小企業の社員育成で見落とされがちな「対話の視点」とは?
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「とりあえず研修」では伸びない理由
社員を昇進させたけれど、うまく機能せず、社員育成に悩んでいたある社長がいました。
「真面目で人柄はいい。でも現場を任せるには何かが足りない」。
「とりあえず研修に行かせてみるか」と考えるのも自然な流れです。
ですが、研修の効果が続かず、結局また悩みは振り出しに戻る――。
こんな経験、あなたにもありませんか?
確かに、必要な知識やスキルを外部で学ぶことは効果的です。
ですが、実際には
■研修を受けてから2~3日はよかったが、その後、元に戻ってしまった
■受け身で研修を受けているので、なかなか身につかない
そんなケースも多くあります。
その場合、「社員が伸びない本当の理由」が別のところにあります。
外部研修は高額な場合が多く、受講する社員の時間も取られます。
せっかくなら、研修をより効果的に受けてもらいたいと思いますよね。
この記事では、研修の前にやるべき「育成の第一歩」について、現場での事例も交えてお伝えします。
【視点① 】研修よりも前に「本人の現状を知る時間」を取る
「どこから手をつけていいか分からない…」
「どの研修を選べばいいのだろうか?」
「この研修、受けさせて効果があるだろうか?」
「研修を受けてきたのに、何も変わらない…」
そんな風におっしゃる社長も多いです。
これらの悩みの根底には、実は研修の前に見落とされがちな「ある重要なステップ」があります。
それは「本人の現状を知る時間」です。
このステップが極めて重要です。
・今、どんなことに悩んでいるのか。自覚している課題は何か?
・課題に対して、前向きに本気で取り組む姿勢はあるか?
・学んだことを、どのように活かしていきたいと思っているか?
このようなことをじっくり話しましょう。
実は、社長が「これを学んでほしい」という内容と、
社員が「これを身に着けたい」と思っていることが食い違っている場合があります。
また、社員が研修に後ろ向きな場合もあります。
そのあたりの確認をとりましょう。
ここがズレていると、社員は受け身(または、やらされ感)で講座を受講することになります。
すると、研修を受けても、なかなか実践に生かされないのです。
【事例】本人の希望を確認し、研修内容を変更
ある社長はリーダーに「PM(プロジェクトマネージャー)研修」を社員に受けてほしいと思っていました。
キャリアコンサルタントが本人と面談したところ、意外にも「コミュニケーション能力」を高めたかったことが判明し、受講する研修の変更となりました。
結果的に、研修で得た内容が社員に刺さり、すぐに行動を変えることにつながりました。
本人の意思を尊重したことで自主性が発揮され、成果につながった好例です。
【視点②】 マインドセットが整っていないと、研修は「砂漠に水」
そして、研修受講前にマインドセット(心構え)を確認し、足りなければ、整えてもらう必要があります。
研修で学んだことをすぐに行動に移し、実際の現場で活かす意識があるか、他責思考ではなく、自分ごとにして取り組めるかなどです。
マインドセットが整っていないと、せっかくの研修も響かず、砂漠に水をまくようなものになってしまうからです。
とはいえ、社内ではそのような本音を話しにくいという社員もいます。社員と話す時間が取れないという社長もいらっしゃるでしょう。
そんな時は、外部の第三者(コーチ・キャリアコンサルタントなど)を活用するのがお勧めです。
プロで、第三者に対しては、本音を話しやすかったりしますし、マインドセットを整え直しやすかったりします。
【視点③】1on1面談での「気づき」が社員の行動を変える
「外部サービスって、結局、何が一番効果的なんだ?」
「研修に気がのらない社員がいるか、行かせていいか?」
「研修以外の外部サービスって何がある?」
そんな風に質問される社長もいます。
外部サービスは研修だけでなく、マンツーマンでの「対話支援」(キャリアコンサルタントやコーチとの面談など)も非常に有効です。
社員を育成するのに外部の力を借りる場合、
「研修」が良い場合と「面談」が良い場合、両方組み合わせた方が良い場合があります。
社員が「学んで実践」することに慣れている場合は、外部研修に行かせるだけでも大丈夫です。
きちんと学び、得たことを現場で活かしてくれるでしょう。
ですが、社員が研修に慣れていなかったり、集合研修が苦手な場合は、研修ではなく面談(キャリアコンサルタントやコーチなど)でじっくり対話したほうが効果的な場合があります。
外部の人間と1対1で話すことで、社員自身や自社のことを客観的に見る事ができたり、気づきが生まれたりします。
この「本人の内側から出てきた気づき」こそ行動を変える鍵なのです。
また、予算に余裕があれば、研修と面談の両方を組み合わせると、さらに効果が高いです。
【事例】面談で初めて本音が出た
面談では相手に寄り添い、相手の状況に合わせて細かく対応できるのが良い点です。
リラックスして話していただく中で、本音の悩みに気づかれたり、「こうすればいいんだ」という解決法が見えたりします。
「今まで、誰にも話さなかったんですが」と悩みを打ち明けてくれる方もおり、一緒に解決策を探します。そのプロセスで安心され、いつもの自分に戻られる方もいます。
また、「他の会社ではどうなんだろう?」「他社でも同じ悩みがあるんだろうか」という質問も多いです。
一般的な会社のやり方や、他社事例をお伝えすると「これでよかったんだ」「一般的にこうなんだ」と気づかれます。
【視点④】育成は「内製化」できると、会社の力になる
「ずっと外部に頼るのはコストがかかる…」
「社内で人材育成ができたらなぁ…」
そう思われる社長もいらっしゃいます。
私自身、研修や面談をサービス提供している側ですが、社長と同様に内製化が大事だと思います。
外部に頼り続けることは、コスト面だけでなく、会社内に育成ノウハウが蓄積されないという課題も生じます。
一時的に外部に頼るのはよいのですが、いずれは社内での育成フローが必要です。
そのためには、管理職や先輩社員が「教えるスキル」「関わるスキル」を持つことが理想です。
ですので、「内製化」を頭に入れているところに、依頼するのがお勧めです。
ちなみに、ヒトノビは最終的には内製化できる関わりを基本としております。
【まとめ】育成の第一歩は「関係性」と「対話」から
外部研修は効果的ですが、それ以上に大切なのは、
■一人ひとりと向き合う時間
■対話による関係性の再構築
■マインドセットの調整
です。
ぜひ、外部研修の前に、こちらを意識してください。
【無料相談受付中】
ヒトノビでは、次のような支援をご提供しています。
・社員との1on1面談
・育成におけるマインドセット調整
・社員教育のための内製化支援
・管理職、リーダー、マネージャー育成のための面談
■社員がなぜ伸びないのか、本人もわからない
■何をしたらいいのか分からず、打ち手に困っている
■社員の中で、何がボトルネックになっているのか?
■社員にはどの研修が適切なのか?
■育成の土台を社内につくっていきたい
そんなお悩みをお持ちの経営者の方は、ぜひご相談ください。
社員育成がうまくいかないとき、「研修に行かせる」だけでは効果が出ないこともあります。
ヒトノビでは、社員のマインドセットを整える「1on1面談」や、管理職育成の仕組みづくりをご支援しています。
「この研修でいいのか迷っている」「何がボトルネックか見えてこない」
そんなときは、まずはお気軽にご相談ください。
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女性スタッフを抱える男性経営者向けにスタッフの人材育成を行っている。
コーチングなど個別面談、リーダー研修、コミュニケーションセミナー、人事評価制度の設計と運用などを行い、企業の成長をサポート。
人あたりのよさで本音を引き出し、相手の性格・強みに合わせて本質を突く指導が好評。
・国家資格キャリアコンサルタント
・特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)会員
・一般社団法人日本マインドセット協会(JMSET)認定インストラクター