中小企業の経営者が知らない、管理職の悩み3選|現場で起きた変化のリアル事例
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目次
管理職が静かに抱える悩みとは?
御社のリーダーや管理職、実はこんなことで悩んでいませんか?
・会議が多すぎて、自分の仕事ができない
・部下に頼られすぎて、抱え込みすぎている
・そもそも管理職という立場にストレスを感じている…
こんにちは。キャリアコンサルタントの小関です。
2014年から人材育成業を始めて11年経ち、延べ1500名ほどの面談をしてきました。
社員1人ひとり、それぞれの立場で悩みや迷いがあります。
キャリアをどう構築したらいいか、人間関係やチームワークがうまくいかないがどうすればいいか、
仕事とプライベートとの両立はどうするかなど。
寄り添いつつ、話をよく聴き、ともに解決の道を考え、1歩前に進めるよう背中を押してきました。
社員の方がハッと気づいたり、ふっと安心してやる気を取り戻したり、
1~2年経って大きく成長した姿を見たり…。
そんな瞬間がとても嬉しいものです。
今回は、そんな社員の方の中でも中小企業の管理職の悩みに焦点を当ててみました。
会社が社員として採用し、仕事に取り組んでもらううちに、
失敗を重ねながら、成果をあげていく人がいます。
人間的にも成長し、「御社の〇〇さん、素晴らしいね」とクライアント先やお客様から褒められ、
社長も「よい社員を採用してよかった」と嬉しくなる。
優秀な社員だからと期待され、管理職やリーダーに格上げされることも多いでしょう。
ですが、管理職やリーダーになることで、悩みが増える社員は実際には多いです。
経営者としては「え、そんなことで悩んでいるのか?」と思うこともあるでしょう。
今回は中小企業でよくある管理職やリーダーの悩みと、うまく乗り越えた事例をご紹介いたします。
私がこれまで実施してきた面談をもとに再構成し、複数の企業で多く見られる変化で、本人特定に至らない範囲でご紹介しています。
(相談内容の一部を改変しています)
【事例①】会議ばかりで仕事が進まない…
■悩み:気づいたら1日会議漬け…。自分の時間がない
「リーダーになったら、会議が増えて、自分の仕事をする時間が減りました…」
ある企業の主任はそうつぶやきました。管理職向けキャリア相談のときです。
いつも明るく前向きな彼女ですが、少しトーンが落ちています。
社内ミーティングや自分の担当クライアントとのミーティングのほか、
管理職ミーティング、部下とのチームミーティング、部下担当のクライアント先とのミーティングなどがプラスされ、気づいたら、1日会議だった! ということも出てきたそうです。
「会議も時間がかかって、1時間をオーバーすることも多いんです。結局、自分の仕事時間が圧迫されてしまい、困ったものです」
■気づき:会議は事前準備が9割。全員の時間を大切に
会議が長くて困るというのは、よく聞く悩みです。私はこう聞きました。
「会議は事前準備をしていますか?」
「いえ、しておけばいいと思うのですが…」
「会議は準備が9割です。事前に議題を出して、それぞれが解決策を出しておく。共有のシートに解決策を書き込んで全員が見られるようにしておくのです。会議では、それに対して決めるだけにすると時間短縮になりますよ」
主任はハッとして、「そうですね! 事前にできることは終わらせておくといいですね。やってみます」と言いました。
「会議はその場で考えることを減らし、時間短縮をしましょう。出席者全員の時間を奪うことになりますからね」
主任は深くうなずきました。
■ひとこと
「会議の時間」などミドルマネジメントが抱える課題は、一見小さいように見えるかもしれません。
ですが、タイムマネジメントはビジネスマンとして重要な能力です。
社内だけでなく、社外でも発揮できれば、対外評価も上がります。
【事例②】注意したいけどできない…
■悩み:なかなか育たない後輩にイライラ…優しさが指導のブレーキに
店舗のマネージャーになって1年。後輩の育成を任されるようになりましたが、思うように成長しない後輩に、モヤモヤを感じていました。
マネージャーは優しい性格で、注意するのが苦手なタイプ。
「商品の並べ方や接客の仕方が違っても、その場では言えず、後で言おうと思うんです。でも、結局言いそびれてしまって…」
注意できても「気をつけてね」と軽く伝えるだけ。結果、改善されないまま。
■気づき:「この人には無理」と決めつけていたのは自分だった
「言っても分からない人なんですか?」
「…いえ、厳しいことを言ったら、メンタルが落ち込むかもと思ってしまって…」
「でも、正しいことを知らないと、間違ったままになりますよね?」
「そうですよね…。ああ、私は『このくらいしかできない人』と決めつけていたかもしれません…」
そこでお伝えしました。
「注意=怒るではありません。言い方を工夫すれば、相手を責めずに伝えることができます。たとえば、一緒に改善策を考えるというスタンスを取るのもひとつの方法です」
マネージャーの表情がパッと明るくなり、「ああ、そうですね! それならできそうです!」と前向きな一歩を踏み出してくれました。
■ひとこと
部下を思いやる優しさは素晴らしい資質です。ただ、時には「伝える勇気」が相手の成長を支えることもあります。管理職は「言い方」のスキルを身につけることで、優しさと厳しさを両立できます。
【事例③】部下の依存が止まらない…
■悩み:部下がなんでも聞いてくる…その「依存」をやめさせたい
「部下が何でも聞いてくるんです。それに全部答えていたら、自分の仕事が進まなくて…。家に持ち帰ってやっています。ワークライフバランスが崩れてしまって…」
役職について3か月目の係長が、そう悩みを打ち明けてくれました。
彼女は丁寧で責任感の強い仕事ぶりが評価され、係長に昇進。
現在、3名の部下がそれぞれ案件を抱えており、困るたびに係長に質問してくる状態でした。
係長には小さなお子さんがいて、保育園の送り迎えなど子育てにも時間を割く必要があります。
■気づき:「全部やる」は成長のチャンスを奪っていた
「上に立つ人は、すべて自分が調べて答えを出す必要はありません。部下に調べさせ、考えさせ、その結果を判断するのが役割です」
「…そうなんですね。今まで、私が全部考えて最適解を渡していました」
「それだと、部下が育たないんです。多少遠回りでも、本人に考えさせる。そのプロセスが何よりの成長になります」
係長はハッとした様子でうなずきました。
「…手を出しすぎていましたね」
「そう。質問するときには『自分なりの考えをまとめてから』提出させるのも一案です。時間短縮にもなります」
「なるほど。それをやってみます!」
■ひとこと
仕事が丁寧な人ほど、部下にもつい丁寧に対応してしまうもの。
でも、育成には、あえて突き放す愛も必要です。
部下に考えさせ、任せ、自分は最終判断だけ。これが中間管理職に必要な態度なのです。
「うちでも効果あるかも…」と感じたら
いかがでしたか?
今回ご紹介した3つの事例は、どれも特別な人材にしか起こらない変化ではありません。
このような課題がある場合、外部のキャリアコンサルタントに相談することで気づきや成長を促すことができます。
キャリアコンサルティングによって、自信を取り戻したり、チームに良い空気を広げたりする――
そんな変化は、御社でもきっと起こります。
「キャリコンって、大きな企業だけが活用するものでは?」と思われるかもしれません。
実は、私が関わっている企業の多くは、社員数20〜100名の中小企業です。
1名だけの導入や、幹部だけの面談からスタートされる企業も多くあります。
キャリアコンサルティングの導入について、まずはお気軽にご相談ください。
どの企業さんも「最初は迷いながらの導入」でした。
ですが、社員の変化を実感するたびに「あなたに頼んでよかった」とお声をいただいています。
あなたの会社でも、変化のきっかけを作ってみませんか?
✅ 1名からのトライアル面談も可能です
✅ オンライン対応・全国OK
✅ 御社の課題に合わせてご提案いたします
ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。無料相談のお申し込みもこちらです。
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女性スタッフを抱える男性経営者向けにスタッフの人材育成を行っている。
コーチングなど個別面談、リーダー研修、コミュニケーションセミナー、人事評価制度の設計と運用などを行い、企業の成長をサポート。
人あたりのよさで本音を引き出し、相手の性格・強みに合わせて本質を突く指導が好評。
・国家資格キャリアコンサルタント
・特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)会員
・一般社団法人日本マインドセット協会(JMSET)認定インストラクター